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民泊の面積要件は1人3.3㎡以上|計算方法と届出図面を解説

住宅宿泊事業法(民泊新法)で民泊を行う場合、居室の床面積は宿泊者1人当たり3.3㎡以上必要です。ただし、ここでいう「居室」は寝室だけを指す言葉ではありません。また、届出書に記載する「居室」「宿泊室」「宿泊者の使用に供する部分」では、含める場所と面積の測り方が異なります。

この記事では、観光庁の民泊制度ポータルサイトをもとに、定員の計算、内寸と壁芯の使い分け、間取り図で確認するポイントを整理します。

結論:3.3㎡基準は「居室」を内寸で算定します。登記簿や販売図面の専有面積だけで判断せず、届出先へ図面を示して確認してください。

民泊の面積要件を確認する

民泊新法の面積要件は「居室1人当たり3.3㎡以上」

観光庁は、住宅宿泊事業者が講じる衛生確保措置として、居室の床面積を宿泊者1人当たり3.3㎡以上確保することを案内しています。

必要面積の目安は次のとおりです。

宿泊者数必要な居室面積
1人3.3㎡以上
2人6.6㎡以上
3人9.9㎡以上
4人13.2㎡以上
5人16.5㎡以上
6人19.8㎡以上

定員は、居室面積を3.3㎡で割って考えます。たとえば居室が内寸10㎡なら、3人分の9.9㎡は満たしますが、4人分の13.2㎡には足りません。

なお、住宅宿泊事業は「許可」ではなく都道府県知事等への届出による制度です。年間の宿泊日数は180日以内で、台所・浴室・便所・洗面設備と居住要件を満たす「住宅」が対象になります。

民泊の居室と宿泊室の違い

「居室」「宿泊室」「その他の部分」の違い

届出で混同しやすい3つの面積は、観光庁の案内では次のように区別されています。

居室の面積

宿泊者が占有する部分です。宿泊者だけが使う台所、浴室、便所、洗面所、廊下などを含み、押入れや床の間は含みません。壁の内側から測る内寸面積で算定します。

1人当たり3.3㎡以上の基準がかかるのは、この居室面積です。家主と宿泊者が共用するリビングや台所などは、宿泊者が占有する部分ではないため、居室面積として扱えるとは限りません。

宿泊室の面積

宿泊者が就寝するために使う部屋の面積です。宿泊室内の押入れや床の間は含めません。こちらは、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(壁芯)で算定します。

「居室」と「宿泊室」は同じ意味ではありません。既存記事や販売図面の表記だけで置き換えず、それぞれを分けて計算する必要があります。

宿泊者の使用に供する部分(宿泊室を除く)の面積

宿泊者が使う部分から宿泊室を除いた面積です。宿泊者の占有か家主との共用かを問わず、台所、浴室、便所、洗面所、押入れ、床の間、廊下などを含みます。算定は宿泊室と同じく水平投影面積です。

民泊の面積を図面で計算する

面積の計算方法|内寸と壁芯を使い分ける

面積要件を確認するときは、次の順番で整理すると間違いを減らせます。

  1. 宿泊者が利用する部屋・設備を図面に示す
  2. 就寝に使う「宿泊室」を特定する
  3. 宿泊者が占有する範囲を「居室」として整理する
  4. 居室は内寸、宿泊室などは壁芯で算定する
  5. 居室面積を予定定員で割り、1人当たり3.3㎡以上か確認する
  6. 図面と現況が一致しているか現地で確認する
  7. 届出先へ事前相談する

登記簿面積・専有面積だけで判断しない

マンションの販売図面や登記事項証明書に記載された面積は、届出上の居室面積と範囲や算定方法が一致するとは限りません。住戸全体の面積から、押入れ・床の間や家主との共用部分を整理する必要があります。

特に、壁芯で表示された専有面積をそのまま居室面積として使うと、内寸で求める面積より大きくなる可能性があります。定員上限ぎりぎりの物件は、実測と届出先への確認を優先してください。

家具を置けば面積が変わる?

3.3㎡基準は居室の床面積に関する基準です。ただし、ベッドや家具が避難経路をふさいだり、衛生・安全の確保を妨げたりしないように配置する必要があります。面積基準を満たすことと、安全に利用できる間取りであることは別に確認しましょう。

ロフトや床の間は含められる?

観光庁の届出案内は、居室と宿泊室の面積から押入れ・床の間を除くとしています。ロフト、段差部分、増築部分などの扱いは、建築上の適法性や自治体の運用によって確認が必要です。根拠なく算入せず、平面図・断面図や現況写真を用意して届出先と建築担当部局へ相談してください。

間取り別の確認例

ワンルームを宿泊者だけが使う場合

ワンルーム全体を宿泊者が占有する場合でも、居室面積には押入れや床の間を含めません。宿泊者専用の台所、浴室、便所、洗面所、廊下は居室に含まれます。内寸で算定した居室面積から定員を確認します。

自宅の一室を貸す家主居住型

宿泊者が専用で使う寝室と、家主と共用するリビング・水回りを分けて整理します。共用部分をすべて居室面積へ加えられるわけではありません。どこまでが宿泊者の占有部分かを図面上で明確にしてください。

複数の寝室がある場合

宿泊室ごとの面積と、宿泊者が占有する居室全体の面積を分けて記載します。定員だけでなく、非常用照明、避難経路表示、消防設備なども間取り・建物条件によって確認が必要です。

民泊届出の図面と書類

届出図面で確認・記載するポイント

観光庁の案内では、住宅宿泊事業の届出に住宅の図面等を添付します。実際の様式や追加書類は届出先によって確認してください。

図面を準備するときは、少なくとも次を整理しましょう。

  • 台所、浴室、便所、洗面設備の位置
  • 宿泊室として使う範囲
  • 宿泊者が占有する範囲と家主との共用範囲
  • 居室、宿泊室、その他の使用部分それぞれの面積
  • 各面積を内寸・壁芯のどちらで算定したか
  • 出入口、廊下、階段などの避難経路
  • 図面と現況、増改築履歴の一致
  • 予定する最大宿泊者数

書類名や現地確認の有無を一律に断定することはできません。物件の契約や工事の前に、所在地を管轄する都道府県、保健所設置市または特別区の住宅宿泊事業窓口へ相談すると安全です。

面積以外に必要な住宅・安全要件

3.3㎡以上を満たすだけでは、住宅宿泊事業を始められません。主な確認項目は次のとおりです。

  • 台所、浴室、便所、洗面設備があること
  • 現に生活の本拠として使われている、入居者を募集している、または随時居住に使われている家屋のいずれかであること
  • 非常用照明、避難経路表示など必要な安全措置を講じること
  • 消防法令適合通知書など、届出先が求める消防関係の手続きを確認すること
  • 賃貸借契約やマンション管理規約で民泊利用が認められていること
  • 自治体条例による区域・期間の制限を確認すること
  • 家主不在型などでは、登録を受けた住宅宿泊管理業者への委託要否を確認すること

旅館業法の簡易宿所や国家戦略特区の特区民泊は、住宅宿泊事業法とは別制度です。面積・構造設備・最低宿泊日数などの条件を混同せず、希望する営業日数と物件所在地に合う制度を選びましょう。

民泊の面積要件に関する質問

よくある質問

民泊は最低何㎡あればできますか?

住宅宿泊事業法では、居室の床面積を宿泊者1人当たり3.3㎡以上確保します。ただし、住宅全体に一律の最低面積があるという意味ではなく、必要設備、住宅の居住要件、安全措置、自治体の運用も満たす必要があります。

10㎡の部屋には何人泊められますか?

その10㎡が届出上の「居室」に該当し、内寸で10㎡ある場合、3.3㎡×3人=9.9㎡なので面積基準上は3人分です。実際の定員は、宿泊者が占有する範囲、消防・安全設備、寝具配置などを含めて届出先へ確認してください。

リビングや廊下も3.3㎡の計算に入りますか?

宿泊者が占有するリビングや廊下は、居室に含まれます。家主と共用する部分は扱いが異なるため、占有・共用の区分を図面に示して確認してください。

面積は壁芯で測ればよいですか?

一律に壁芯ではありません。居室は内寸、宿泊室は壁その他の区画の中心線で囲まれた水平投影面積で算定します。ここを混同しないことが重要です。

自治体が独自に面積基準を上乗せできますか?

住宅宿泊事業法の条例は、生活環境の悪化防止のため区域を定めて実施期間を制限する仕組みです。一方、届出や安全・消防に関する運用や必要書類は地域で異なる場合があります。「自治体ごとに住戸25㎡以上」などの情報を根拠なく一般化せず、所在地の公式案内を確認してください。

公式情報・相談先

まとめ

住宅宿泊事業法による民泊の面積要件は、居室1人当たり3.3㎡以上です。居室は宿泊者が占有する範囲を指し、内寸で算定します。宿泊室は就寝に使う部屋で、壁芯による水平投影面積を用いるため、両者を混同してはいけません。

物件の販売図面や登記面積だけで定員を決めず、現況に合った図面で占有・共用範囲と各面積を整理し、契約・改修前に届出先と消防へ相談しましょう。

本記事は2026年9月13日時点の公式情報をもとに作成しています。法令・様式・自治体の運用は変更されることがあるため、届出前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

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